2008年8月アーカイブ
「f) 是正処置において実施した活動のレビュー」
これではいったい、活動の何をレビューするのかわからない。
そういったコメントがISOに寄せられ、
結局、「活動の有効性のレビュー」にしようということになりました。
最終形は次の通り。
「f) 是正処置において実施した活動の有効性のレビュー」
もちろん、これには反対の声もあがりました。
ISO 9000:2005の「レビュー」の定義は次のようになっています。
「設定された目標を達成するための検討対象の
適切性、妥当性、及び有効性(3.2.14)を
判定するために行われる活動」
つまり、「レビュー」の定義の中に「有効性」が含まれていますから、
「有効性のレビュー」とすると、意味が重複してしまいます。
ですけど「有効性のレビュー」という表現が採用されました。
なぜでしょう。
これはやはり、前回でも述べたOutput Matters潮流でしょうね。
重複してもいいから、QMSの有効性をとにかく強調したいのでしょう。
夜中の2時。
ゴミ収集車で現場に向おうとしていた社員Aさんを、
社長が呼び止めました。
「Aさん、この方を一緒に乗せてあげてください」
助手席に乗り込んできたのはEMS審査員(楢崎建志さん)です。
Aさんは、今日審査があるとはまったく聞いていませんでした。
製品改善に結びついていないと意味がないのではないか。
これは世界のISOユーザーから問われているところです。
「8.4 データ分析」では、参照先についての見直しが行われました。そのほかは変更ありません。
b)の参照先は「7.2.1 製品に関連する要求事項の明確化」 を「8.2.4 製品の監視及び測定」に変更。
c)には新たな参照先として「8.2.3 プロセスの監視及び測定」と「8.2.4 製品の監視及び測定」を追加。
さらに、d)にも新たな参照先として「7.4 購買」を追加。
今日は「8.3 不適合製品の管理」について述べてみます。
2000年版では、この要求事項の最終パラグラフは次のようになっています。
「引渡し後又は使用開始後に不適合製品が検出された場合には、組織は、その不適合による影響又は起こり得る影響に対して適切な処置をとること。」
今日は「8.2.4 製品の監視及び測定」をみてみます。
2000年版では、この要求事項の第2パラグラフは次のようになっていました。
「合否判定基準への適合の証拠を維持すること。記録には、製品のリリース(次工程への引渡し又は出荷)を正式に許可した人を明記すること(4.2.4参照)。」
ISOでは「合否判定基準は記録でなければならないか」という点について議論され、必ずしも記録でなくてもよい、と結論しました。ISOでは、記録ではない、合否判定基準として、次のような事例を挙げています。
(例)レストランのシェフは、料理の最終プロセスとして、お客様に出す直前、味付けに合格した証拠として、料理容器の側面にマークを付けるかもしれない。
ところが、前述した第2パラグラフを読むと、「合否判定基準への適合の証拠を維持すること」に続いて、「記録には・・・」と書かれているので、あたかも合否判定基準は記録であるがごとく誤解される可能性があるとしました。そこで、第2パラグラフの文章を2つに分解し、前の文章を第1パラグラフの後に続けることにしました。
さらに、第2・3パラグラフに出てくる「製品のリリース」に対して、「顧客への」という形容詞をつけることにしました。製品のリリースは、中間プロセスでも発生するしい、最終的に顧客に引き渡すときでも発生しますが、規格の意図は、「顧客への引き渡し」にあることから、明確化の一環として「顧客への」を付けたものです
「組織は、品質マネジメントシステムのプロセスを
適切な方法で監視し、
適用可能な場合には、測定をすること。」
最後のパラグラフで次のような文が出てきます。
「監査された領域に責任をもつ管理者は、
発見された不適合及びその原因を除去するために
遅滞なく処置がとられることを確実にすること」
ここでいう「処置」って、どんな処置なのでしょう。
多くのユーザーからISOに質問が寄せられたそうです。
これは、世界規模の疑問なわけです。
原文は下記の通りです。
The management responsible for the area being audited shall ensure
that actions are taken without undue delay to eliminate detected nonconformities and their causes.
この actions って、何を意味するのでしょうか。
これはやはり、次の「8.2.3 プロセスの監視及び測定」に出てくる
correction and corrective action のことでしょう。
つまり、遅滞なくとるべき処置とは、
必要とされる修正及び是正ということになります。
2000年版の「8.2.1 顧客満足」では、
「顧客要求事項を満足しているかどうかに関して
顧客がどのように受けとめているかについての情報を監視すること」
が要求されています。
では、「顧客がどのように受けとめているかについての情報」とは、
いったいどんな情報なのでしょうか。
規格説明会などで必ず出てくるのが「顧客満足度調査」です。
ただ、「当社の製品は顧客満足度第一位です」という宣伝文句ほど、
昨今、いかがわしいものはございません。
ですから、もう少し、どんな情報なのかを示す
具体例のバリエーションが欲しいところです。
ISOが実施したユーザー調査でも、
いったいどんな情報なのかよくわからない、
という声が多かったそうです。
要求事項なので、具体例を本文に書くことはできないでしょう。
であれば、「注記」とかで示せるのでは?
顧客満足度調査はもちろんのこと、
顧客からの製品品質データとか、
ユーザー意見調査とか、
ディーラー報告とか、です。
組織が監視、測定、分析及び改善のプロセスを計画し、
実施するべき対象として、a)、b)、c)の3つをあげています。
問題はこの中のa)です。
日本規格協会の恒例行事である
「標準化と品質管理全国大会」で発表されます。
このJIS Q 9005/9006プロジェクトは、
同規格の前身であるTR Q 0005/0006の時期も含むと、
5年以上も続いているロングラン企画で、
国の助成金を得て実施されているものです。
この時期になると、TR Q 0005/0006が発行された
2003年1月の状況を 思い出します。
ご存知の通り、この規格はISO9004次期改訂版
(2009年発行予定)への採用も狙って開発されたものです。
TRの原案ができたとき、その英語版を持って、
経済産業省の担当官がBSIを訪れました。
ISO9004の規格審議を行っている
ISO/TC176のWGの議長国が英国だからです。
そのときの状況を聞くため、
私はその担当官を、帰国後すぐに取材しました。
担当官はBSIに「今度、9004の次期改訂版として、
このような規格を日本から提案するので協力してほしい」
とお願いしたそうです。
BSI側は快諾してくれました。
「BSIは、えらく簡単に賛成してくれたものですね」と、
私がその担当官に聞くと、彼は、
「BSIは今、9004よりもシグマのほうに
関心が向いているからね」と答えました。
ここでいうシグマとは、SIGMAガイドラインのことです。
このガイドラインの最終版は、
日本のTRが発行された同じ年の9月にWeb上に発表され、
今も無料でダウンロードできます。
日本のTR Q 0005/0006も、英国のSIGMAも、
持続可能なマネジメントのためのガイドラインですが、
前者は高成熟度QMSに限定されたコンテンツであり、
後者は経営に関するあらゆるマネジメント・コンテンツを
関連させるためのポータルサイトです。
2003年の時点で、両国の標準への方向性は異なっていました。
TR Q 0005(左)とSIGMA Guidelines
とにかく改善の手を休めない人たちです。今日お聞きした取り組み内容は、数年後にはもう次のステージに進んだ内容になっていることでしょう。どんなにすばらしい仕組みやツールでも、数年経つともうパワーがなくなってくる、マンネリになってしまう。それだけ、ビジネスの変化についていくことは、大変なことなのだと実感した次第です。この取材記事は、アイソス11月号に掲載する予定です。榎本さんや青柳さんが取り組んでおられる躍動的なQMSがお伝えできればと思います。
これによると、日本の全認証組織件数(JAB適合組織件数以外も含む)は、品質マネジメントシステム(QMS)で53,447件、環境マネジメントシステム(EMS)で25,474件です。
このアンケートの特長は、JABが調査しているとはいえ、JABから認定されていない認証機関の認証件数もカウントされていることです。JAB適合組織の件数だけでは、日本の認証の実態は正確にはつかめません。というのも、JAB適合以外の認証件数は、QMSで約1万件、EMSで約5千件もあるからです。
主催者を含め、参加者は7人(家元さん、師範さん、道友さん、GAIさん、ファイアードマンさん、エビデンスさん、中尾)。素人の私を除くと、半分はコンサルタントで、半分は企業のマネジメントシステム関係者です。
ワークショップは2部構成になっており、前半は事例研究、後半は「是正処置をやる人の力量」をテーマとした、ブレーン・ライティング+KJ法を使っての実習でした。
トヨタ自動車は、2007年に高岡工場でISO 14001の成熟審査を受け、
続いて下山工場でもトライする予定です。
成熟審査を受けるには、受審側に、
第三者審査を部分的に代替できるだけの内部監査力が必要です。
では、内部監査力のある組織はすべて、
成熟審査を受けるようになるかというと、全然そうではありません。
むしろほとんどの組織は、内部監査力があっても、
成熟審査は受けないでしょう。
では、成熟審査を受ける組織というのは、
どういう組織なのでしょうか。
中尾優作です。
最初に自己紹介をしておきます。
大学を卒業して、地方の新聞社や業界新聞に12年間勤めた後、独立。
個人で「季刊システム規格」という、
ISOマネジメントシステムの専門誌を発行。
その2年後に法人化し、 株式会社システム規格社を設立。
同時に「季刊システム規格」を「月刊アイソス」に改称し月刊化。
同雑誌の創刊から 第100号(2006年3月号)まで編集長。
ヘッダの画像 は 山路南さんにお願いしました。これはアイソス 2000年11月号に掲載された山路さんのイラスト(左図)を、ヘッダ用として今回 描き直してもらったものです。
では、なにゆえ、ブログを始める気になったのか。
それは、ある本に載っていた、ある話がきっかけです。
それについては、次の「編集後記」でご紹介しましょう。
では、今日からどうぞよろしくお願いします。
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