朝から行列に並んでいた私は、夕方になってようやく役所の「お返し」申請受付窓口にたどりつきました。「お返し」とは、65歳を過ぎると国から年金をもらったり、介護医療の割引などを受けることができる制度なのですが、この「お返し」は自動的に国がやってくれるものではなく、どうも個人が申請しなければならないみたいです。
「じゃあ、認証チップをお見せください」
受付の担当官がそう言いました。
「何ですか、それは?」
「あ、ご存じないのですか? 認証チップというのは、あなたが社会にこれまでどれだけ貢献してきたかを記録したチップですよ」
「その認証チップはどこでもらうのですか?」
「役所にある認証局です。あなたが何か社会に対していいことをしたのなら、それを客観的に裏付ける証拠を示して認証局に申請します。すると、認証局が審査をして、あなたの行為が基準を満たしていると判断すれば、あなたの行為の社会貢献度に応じて認証点数が与えられます。その点数を記録したのが認証チップです。認証チップの点数に応じて、国から支給される年金や手当が決まります。つまり社会貢献を多くした人のほうが、年金額など国からの恩恵を多く受け取ることができるという仕組みです」
「例えば、近所の公園のゴミ拾いを10年間続けた、っていうのも社会貢献ですか」
「もちろん、そうです。ただ、それをあなたが客観的に証明することができ、認証局がそれを認めないと、認証チップに記録されません」
「その認証基準はあるんですか」
「あります。国で定められた『お返し基準』というのがあります。ただ、この基準は憲法みたいなものなので、骨格的なことしか書いてありません。例えば10年間のゴミ拾いのボランティア活動に対する認証には、どのような証拠が必要で、それは何点に相当するか、っていうような詳細な内容は『お返しの手引き』に書かれています。これは全10巻にわたる膨大なガイド文書です。ご自分で読まれても結構ですが、点数判断などがむずかしいので、認証基準士に相談されることをお奨めします」
「でも、なんか、自分の善行を客観的に証明しなくてはならないなんて、ちょっと嫌だな」
「ええ、確かに日本人って、そんなとこ、ありますよね。でもね、『お返し基準』の中にちゃんとdemonstrateと書かれているのですから、仕方ありません」
「日本の基準なのに英語で書かれているのですか」
「いいえ。原文だとdemonstrateだと言ってるんです」
「原文があるんですか」
「あります。英語の原文を翻訳したのが日本の『お返し基準』ですから、この基準の真の意図を理解するためには、原文に当たらなくてはなりません。余計なおせっかいかもしれませんが、あなたはまず、『お返し基準』に出てくるdemonstrateの意味を理解すべきでしょうね。民間の会社で、基準の意図を解説した研修会が実施されていますから、そちらを受講されてみてもよろしいかと思います。・・・あっと、すみませんが、後にまだたくさんの方が並んでおられるので、今度また、認証チップがある程度貯まってからおいでください」
(この話はフィクションです)
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テーブルで晩飯を食べていると、中学生の息子が「きゅうふきぃーん、きゅうふきぃーん」と歌いながら近づいてきました。
「さあて、ダディーさんは、2万円を子どもたちにめぐんでくれるのでしょうか? それとも、日々の生活費にあっけなく使ってしまうのでしょうか? 正解はコマーシャルのあと!」
そう言うと、「きゅうふきぃーん、きゅうふきぃーん」と歌いながら去って行きました。
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米国の標準化団体であるANSIがISOに教育組織向けのQMSを、2月の最後の週に東京で開催されたISO/TC176の総会で提案した。米国規格をたたき台として出して、それを元に議論を行い、ISO規格にしようというわけである。この規格の名称は"Quality Management System Requirements for Education Organizations"。Requirementsとなっているから、ISO 9001や14001同様に、認証規格として使える仕様書だ。もともと大学を評価する公式の認定機関があるくらいの国だから、教育の世界に認証を持ち込むことはごく自然なことだったに違いない。規格構成はISO 9001ベースである。受審組織は教育機関だから、学校や学習塾、研修機関などが対象となる。ISO 9001の「顧客」に相当するのは「生徒」。customer focus が student focus になっている。 日本もこういったマネジメント感覚を学校幹部が持っておく必要はあるだろう。
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ISO 9001:2000作成時に「顧客満足」と「継続的改善」の要求事項を強硬に入れてきた米国、ISO 14001:1996作成時に「環境マニュアル」の用語をどうしても入れることを拒否してきた米国、ISOマネジメントシステム規格(セクター規格を除く)に対しては、このようにパーツ対応に執拗にこだわってきた米国だが、今回は規格のパーツではなく、全体のたたき台を自ら作成してISOに提案し、その規格作成を審議するプロジェクト委員会(PC 242)の議長国まで名乗り出た。その米国本気規格がISO 50001(エネルギー管理)である。
ISO 50001は、調達から使用までを含めたエネルギーに関するすべての面を管理するための国際的な枠組みであり、エネルギー効率を向上させるために、組織に技術面・管理面での戦略を提供し、コストダウンをはかるとともに、環境パフォーマンスを向上させることを目的として開発されたものである。また、この規格はエネルギーサービス産業向けにのみ開発されたセクター規格ではなく、あらゆる会社、工場、事務所、商業施設などに適用可能であり、同規格の普及によって、世界のエネルギー使用量に対して60%まで影響を与えることができるとしている。
ISO 50001は、末番号の1が意味しているように、要求事項を含む仕様書であり、発行されれば認証用スペックとして使用される。ただし、あくまでマネジメントシステム規格であって、基準値などを示したパフォーマンス規格ではない。このような仕様書が開発される時は、通常、並行してガイダンスも同時に作成されるが、ISO 50000シリーズの場合も、ISO 50001と連携した形で、用語(terminology)、使用(use)、実施(implementation)、測定(measurement)、測定基準(metrics)に関するガイダンスが発行される予定である。また、ISO 9001/14001との整合性をはかるとともに、PDCAアプローチによる継続的改善の仕組みが採用されるのは間違いない。
ISO 50001の規格作成の議論がISOで始まったのは、2008年2月である。米国の国家標準団体であるANSIがISOにエネルギー管理に関する国際規格作成を提案し、ISOがそれを承認、審議委員会としてPC 242を設置して、規格作成作業がスタートした。PC242の第1回目の会合は2008年9月、ワシントンDCで開催されている。現在、規格作業はWD2(第2次作業原案)まで進んでおり、2009年6月にはCD(委員会原案)の投票が行われる。このあとはDIS(国際規格案)、IS(国際規格)という順序で作業が進行する。最終的にISO 50001が発行されるのは2010年末から2011年初の予定である。
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昨日さあ、柔道の試合に弁当持っていったの。
だけど、会場でけっこう忙しくて、食べる暇がなくて、半分くらい残したわけ。
で、試合が終わって家に帰ると、お母さんが「弁当を残してるじゃない。後で全部食べてしまいなさいよ」って怒ったの。
それでさ、夕方に腹減ったんで、残りの弁当を食べようとしたらね、「今、夕食作ってるんだから、弁当食べると、夕食が食べれなくなるじゃない」って、また怒るの。
で、食べるのをやめたわけ。
それで、お母さんって、寝る前に食器洗うでしょ?
そのときに僕の弁当も洗おうとして、「もう、弁当残して」って、また怒ってるんだよ。
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「あと10年しか生きることができなかったら」って?
大して変わんなくない?
今とおんなじこと、し続けると思うよ。
だって、10年後って、もう27じゃん。
それだけ生きれば、十分でしょ。
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土手沿いの桜が満開です。
ときどき桜を見上げながら、ゆっくり歩きました。
もっと見たかったのですが、
土手沿いにある取材先の会社に着いてしまいました。
「いやー、ここはお花見の場所には苦労しませんね。東京にこんな場所があったら、もうシートを敷くは、ロープは張るわ、新人が番をするわで、大変ですよ。その点、当地は場所取りにアクセクすることないんですよねー。ところで、会社でお花見なんか、します?」
よし、出だしの雑談は、これでいこう。
受付でサインをしながら、気合いを入れました。
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4月4日〜5日に開催された「ISO-Management System 研修合宿 in 仙台」(いそいそフォーラム東北支部・メーリングリストおうでぃとうぇい・審査道無風流共催)に参加しました。今回の参加者は11名。内容については門外不出なので、各プレゼンで印象に残った点のみ書いておきます。
一番最初に朋友さんがISO 10002の解説をやってくれました。規格解説ってたいてい眠い話になるのですが、朋友さんは聞き手を全然退屈させません。規格に関連して、いろんな事例紹介や世間話をされるのですが、それがおもしろい。やっぱ、一流の営業マンだなあ。
古川の金ちゃんは、趣味と実益を兼ねてある会社をコンサルした話を披露。イケイケドンドンの社長が、自分が突っ走ったあとに、社員が続いて登っていけるような階段を作らなかった、という話が印象に残りました。
続いて私のプレゼン。アイソス用の編集企画3本を参加者の皆さんに評価していただきました。その結果は、今後のアイソスに反映されると思います。
以上が初日に行われたプレゼンで、翌日の午前中は、まずTOMOさんが、ISO 22000(!)の話をしてくれました。この間までTS2のTOMOさんかと思いきや、今度は22000のTOMOさんでした。契約先の審査機関側の腹はたぶん「この人は新規分野でも物怖じしないから、今度は食品安全をやらせてみよう」ってことでは?
最後に家元さんが、無風流道場で実施している「是正処置ワークショップ」の内容を紹介。そのあと、実際にケーススタディを使って、不具合事象から、問題特定→原因特定→再発防止策までを演習してみました。この作業は、問題特定をきちんとやっておかないと議論が拡散することを是正処置ワークショップで経験済みです。なので、けっこう時間を使って参加者のコンセンサスを得ながら問題特定を行ったことから、→原因特定→再発防止策への進行は比較的スムーズでした。議論の仕方が明らかに進歩しています。
夜の懇親会での議論も盛り上がったのですが・・・覚えていません。
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陪審員が「不適合」かどうかを決める裁判を、仮想イベントとしてできないか考えているところです。
これは、ISOの仕組みを、一般人(基本的には規格要求事項を見たことがなく、適合性評価制度についての知識がまったくない人)がどのように受けとめるかをみる、という試みです。
被告は人ではなく、審査報告書の不適合に関する記述です。
検察側は審査員が担当し、絶対不適合を主張します。
弁護側は受審組織の事務局が担当し、絶対適合を主張します。
最終的な判決は、つまり不適合かどうかは、両者の言い分を聞いた陪審員が決めます。陪審員は素人なので、審査員も事務局も、わかりやすい一般用語で話さなくてはなりません。
受審組織内で起こった密室での事件なので、基本的には証人ナシで行います。審査に立ち会ったコンサルタントは、証人として認められません。
実際にこのような制度が始まると、陪審員は一般的感覚で判断する場合が多いので、病院とか原子力発電所、食品、あるいは不祥事で騒がれている業種では、有罪判決(すなわち「不適合」)が下される可能性が高いと思われます。例えば、下記のように。
【判例】
(指摘事項)規定された予薬に関する力量を満たしていない看護師が予薬業務を担当していた。
(判決)有罪
(指摘事項)規定された部品検査に関する力量を満たしていない検査担当者が検査業務を担当していた。
(判決) 無罪
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