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逢い引き

当家のピー(メスの柴犬)の恋人が亡くなりました。
ご近所に住むリキ(オスの雑種犬)です。

私がピーとリキの逢い引きを目撃したのは
もう10年くらい前です。
あたりがまだ薄暗い早朝の庭で
二人はおしりを合わせてたたずんでいました。

二人とも庭で飼われている犬です。
その日は私の庭に二人ともいました。
リキは得体の知れない力を手に入れ、
自宅から脱走したみたいです。

「おやおや」と私は縁側から、
至近距離で眺めていましたが、
二人にとって私は眼中にないようです。
それにしても長い行為でした。
いつから始まったのかは知りませんが、
私が見ている時間だけで10分は過ぎています。

隣家の小学生の女の子が、
ポストに入っている新聞を取りに、
パジャマ姿で出てきました。
二人を見つけて、
「これ、何してるの?」
と聞いてきました。
これ以上はまずいな、と思いました。
「悪いけど、ここまでネ」
そう言って、箒でリキの背中をポンポンとたたきました。
最初はしぶっていましたが、やがてピーと離れ、
自分の庭に帰っていきました。

その日の夕方、すぐに獣医さんのところへ。
ピーに避妊手術を施してもらいました。
翌日、病院にピーを引き取りに行くと、
笠形の首輪(エリザベスカラー)を付けていました。
手術の縫合部を嘗めたり噛んだりしないようにです。

そのエリザベスカラーを付けて散歩に行った数日間、
ご近所のいろんな方から、カラーを付けてる訳を聞かれました。
事の顛末を話すと、
「なんで、女ばっかり苦労しなくちゃならないんだろうね」
と不満を述べる女性、
「男ってほんと、やりっぱなしで逃げていくんだから」
と男全般を恨む女性、
「どこのオスですか?」
と相手を特定したがる女性、と反応さまざま。
(男性の反応は一般的でおもしろくなかったので割愛)

中でも印象に残っているのは、ある中年女性との会話でした。
「ピーちゃんは手術の後、食欲落ちなかった?」
「ええ、手術した翌日は、ほとんど食べませんでしたね」
「でしょう? 分かるわ」
「ということは、お宅のワンちゃんも手術を受けたんですか?」
「いいえ、違うわよ。私がそうだったから」
「・・・・・・・・」

ご近所では、ちょっとスキャンダラスな男だったリキ。
冥福を祈るぜ。
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このページは、中尾優作が2009年7月 3日 00:40に書いたブログ記事です。

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